町田市、花粉症改善、線維筋痛症、発達障害、癒し系カルチャースクール/ 今福敏雄研究室

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5.少陰病

いわゆる少陰病は腎虚症のことで、現代医学では、次のような表現をしています。
 一. 生殖器、特に婦人病、精力減退がこれにあたります。 
 二. 泌尿器系統、つまり腎臓病、膀胱の病の人はこれにあたります。
 三. 肺結核、心臓病、その他結核性疾患の者は腎虚証になります。
 四. 高血圧、脳溢血、半身不随、中枢性の運動マヒは腎虚に陥ります。
 五. 腰痛、脚気、耳の病気は、腎虚によって引き起こされます。
以上のような表現になるのですが、現代医学の医師達は、腎を補う複溜という穴に刺激を与えて調整します。 
傷寒論曰く、「少陰之為病、脈微細胆欲寝」とありますが、腎精不足のため、力が無くなり、すぐに横になりたがる証であります。
腎臓は二つあり、右側の腎は腎精と関係があり、腎精はエネルギー源であって、これが代謝されることにより原気、というエネルギーが生じます。この原気は各経絡中に行き渡り、各原穴に聚まります。
この原気を三焦の原気ともいい、命門の火とか、相火とかいわれます。原穴が自然治癒力を増すといわれる所以であります。
この三焦の原気は腎間の動気にあるといわれ、精が十分にあれば、臍下丹田も充実し、腎虚で精不足の者は臍下丹田に力がなくなると腰に力が無くなり、脚腰が弱くなります。
臍下丹田がこのようになると、丹田部の血行が悪くなり、瘀血が生じます。すると、大動脈血は十分に腎臓の方へ血液を送り込む事ができないので、いっそう腎機能低下が起こり、利尿異常も生ずることになります。
例えば、昼間異常に小便が近かったり、昼間遠くて、夜間に小便が出たり、尿失禁してパンツがぬれたりします。
又、下腹部にうっ血があるので、血液は十分に下肢の方へ行かず、冷え症になったり、血液が逆流して体の周囲に流れて行きます。そのため、手足の末端が赤くなったり赤ら顔になったりします。このような時の赤ら顔とは、陽眀症のように、どす赤いのではなくピンク色の浮いたような赤さであります。血液が逆流するため、心を衝き、動悸を生ずるようになるのです。
腎精不足すると、以上のような症状を生じます。
腎精は陰であり寒でありますが、腎精が代謝することにより原気が生じますが、これは陽であり熱であります。
この代謝関係は心包の相火といわれる様に、心と関係があり、この寒熱が一定することにより体温は一定に保たれます。これを心腎相交わると称します。この腎精と相火がつり合わない時、患者は寒熱(冷えてほてる)の症状を現し、動悸などを訴えます。
今、腎精不足したとすると、陰気不足となり、冷却作用が低下し、相対的に陽気が増すため、患者はほてりを手足に覚えます。これは虚熱によるものであり、陰気陽盛といいます。
腎は体の水分の代謝と関係があり、腎陰虚の場合、体液の消耗を意味する時があり、このような場合、津液不足のため皮膚が枯燥し、よく老人性皮膚掻痒症を起こします。さらに、精が不足して代謝が衰退して来ると冷えの症状が現れて来ます。
腎陰腎陽は腎臓以外にも影響し、腎陰は肝に、腎陽は脾肺心に影響します。
腎陽は温める代謝と関係する故、これが脾に及んだ場合は太陰証が現れ、消化器系統が虚して来て、下痢するようになります。心に及べば、動悸、肺に及べば肺寒、つまり鼻水や水っぽい痰、咳をします。肝に及べば腎精(水)が肝(木)を養わぬため、肝の陰虚、肝血虚を生じ、めまいや頭痛、イライラを生じ、白内障になり易くなります。養生法としては、気功法(丹田呼吸)を行わせます。
代表的漢方処法は、腎精をつける六味地黄丸、というのがあります。又、ジネンジョ(自然の山芋)等も多く活用します。
腎精不足し、さらに腎陽虚して冷えが加わった者には、附子(トリカブト)や肉桂等で温めます。このような人には、八味丸がよく用いられます。
次に、脾や心に及んだ者には麻黄細幸附子湯など、附子剤がよく用いられます。
麻黄細は肺に効かす生薬で、幸附子は腎に効かします。
肝陰不足の者には、肝陽上亢を下げる菊の花と、肝陽を下げ血を増す枸杞子に六味丸が加えられた杞菊地黄湯がよく用いられます。この処法は、八味地黄丸と同じく、白内障に特効性があります。